さらば稽古場
舞台の初日を3日後に控えた6月5日。
稽古が終わった後に稽古場で、皆で乾杯をしました。
ビールと簡単なおつまみで、公演の成功を祈念しての、ささやかなパーティーです。

いやあ、本当にハードな稽古でした。
連日、7時間以上。
最後には稽古休みの日も稽古になりました。
米倉紀之子ちゃん(サビーナ)の台詞の心境。
「とにかく私達、これまでのところは、どうにかこうにか、やって来られたわ



演出の鵜山仁さん(右)と談笑するプロデューサーの荒川秀樹さん。
このサビーナの台詞を一番噛みしめているのは、この人かもしれません。

プロデューサーの仕事は、全員が集まる稽古の、すでに数年前から始まっています。
演目の決定。
演出家との交渉。
劇場押さえ。
スタッフとの交渉。
キャスティング。
チラシ等の宣材作成。
新聞等のメディアへの宣伝。
等々…

今回、特に難航したのが演目選びでした。
昨年から、荒川さん、鵜山さん、劇団のレパートリー委員で上演作品を検討していたのですが、これだ!という作品がなかなか決まりませんでした。
色々な候補作が出て、検討しては、ボツになりの繰り返し。
途方に暮れていた時に、荒川さんから出されたのが「危機一髪」だったのです。
(その経緯は5月10日のブログ「水谷八也さんです!」をご覧下さい)。
しかし、奇想天外なストーリーに、レパートリー委員達は、「ちょっと、これは…」と、二の足を…
ところが、戯曲を読んだ鵜山さんが、
「これで行きましょう!」
一気に話は進みました。
今思えば、プロデューサーと、演出家の目に狂いはなかったのです。

ちなみに、お二人は同い年。
荒川さんが早稲田大学で、鵜山さんが慶応大学。
学生時代に神宮球場あたりですれ違っていたかもしれませんね。



翌日の6月6日は、稽古最終日。
大先輩の北村総一朗さんが見に来て下さいました。
稽古が終わった後、米倉紀之子ちゃんが総一朗さんのところへ助言を乞いに行きました。
総一朗さんの助言は、
「君に助言をする人は、これから何人もいるだろう。でも今は、その助言で迷っちゃいけないよ。ここまでやって来たんだ。あとは、演出家を信じて、自分を信じて頑張りなさい」

今回、彼女は殆ど出突っ張り。
大変な役です。
精神的にも体力的にも相当きつかった筈。
でも、へこたれずにやり通しました。
役者として大きな財産になった筈です。
あとは、これまでやってきたことを信じて、舞台に立つだけ!



稽古終了後に、稽古場の荷物をトラックに積み込みました。



きれいに片付けられた稽古場。
道具はトラックの中に、そして、稽古の成果は、皆の心の中に。
いよいよ俳優座劇場に乗り込みます!

| 稽古場日記::危機一髪 | 21:46 | comments (x) | trackback (x) |

  
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