思い入れのある作品です
ブログをご覧の皆様!
かっこう、影ほかを演じます赤江隼平です!

今回のこの『宮澤賢治・宛名のない手紙』は僕にとってすごく思い入れのある作品なんです。

劇団昴は過去、長野県駒ヶ根市にある市民ミュージカル劇団と共同公演を行なっていました。
その1番最初に公演した作品がこの「宛名のない手紙」なんです!

なぜ、僕にとっての思い入れのある作品かというと、東京で俳優として活動する前に、この駒ヶ根市にある市民ミュージカル劇団で俳優の勉強をしていたんです!
僕が7年前、駒ヶ根市にいた頃にはもう共同公演は無くなっていましたが、当時劇団昴の方達とお芝居をして、活躍していた人たちにお芝居を学ばせてもらい今に至ります。

駒ヶ根の人たちの魂を受け継いで、この劇団昴本公演というプロの舞台で、この作品に携わることができたということが本当に感無量ですし、僕を育ててくれた駒ヶ根の人たちへの恩返しになったのかなぁと。

こういう経緯もあり、僕にとって思い入れのある作品なんです!


宮澤賢治が当時見ていたであろう世界、自然をセピアカラーではなく、ビビットにお届けします!
神秘的な素敵な空間へ皆様をお連れします!
是非、劇場に足をお運びください!
シアターグリーンで皆様のお越しをキャスト、スタッフ一同お待ちしております!


長野県トリオ!
中:矢﨑さん 左:関谷さん

裏でこの座組を支えてくれてる忘れちゃいけない2人をご紹介!
しかも2人とも僕と同じ長野県出身です!笑
昨年5月の劇団昴本公演「マーヴィンズルーム」でサポートしてくださった「やざ吉兄やん」こと矢﨑和哉先輩!今回も沢山お世話になってます!
本当に優しくてなんでもできる大好きな兄やんです!!
そして!
昨年10月の劇団昴本公演「広い世界のほとりに」に引き続き、関谷あづみさんがサポートしてくれています。今回は、演出助手とダンス振付助手を担ってくれています!
僕と同期ですが、頼れる姉御!!
| 稽古場日記 | 13:54 | comments (x) | trackback (x) |
思い出といっしょに
みなさん、はじめまして。
『宮澤賢治・宛名のない手紙』で「ねずみ、影ほか」を演じます、劇団昴附属養成所4期生の森島美玖です!
「養成所生?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね!
私はこの春から劇団昴附属養成所に入所しました。
なので養成所の授業の後、稽古へ向かうという芝居漬けのなんとも幸せな日々を送っております。


宮沢賢治(正字:宮澤賢治)といえば!!
とても個人的な思い出なのですが、
実は私が小学6年生の時の担任の先生の名前、宮澤賢治だったんです!!!
なんだかこういうの嬉しくなるんですよね!
はい、なんでもかんでも結びつけたくなる性格なのです。

ところで、みなさんも小学校の国語の授業などで宮澤賢治の作品に触れたことがあるのではないでしょうか。

私も『宮澤賢治・宛名のない手紙』に携わらせていただくにあたって、改めて関連作品やその他の作品を読んでみました。
独創的な表現やリズミカルな語感の造語で綴られた物語の数々に触れていくうちに、宮澤賢治ワールドマップが作れそうな、不思議な感覚が芽生えました。

『宮澤賢治・宛名のない手紙』は『銀河鉄道の夜』を軸に、宮澤賢治のさまざまな名作が緩やかに絡み合いながら人生そのものを旅しているかのような作品だなぁと感じました。

この現実と空想が混じり合ったような世界を、芝居に加えて歌とダンスを織り交ぜながら、生演奏でお届けいたします!

稽古は毎日、チャレンジと発見の連続です!
失敗を恐れず体当たりできる稽古場の空気感は、私にとってとても刺激的で勇気が湧いてきます!
歌稽古、芝居稽古が進む中、来週からダンスの稽古も始まります!
さらに立体的なものになっていくのが今からとても楽しみです!

皆様のご来場、心よりお待ちしております!
| 稽古場日記 | 21:19 | comments (x) | trackback (x) |
どこまでも
こんにちは!
『宮澤賢治・宛名のない手紙』で「影・カワセミ・ほか」を演じます、聡鳥圭です!

突然の猛暑の訪れとともに、いよいよ立ち稽古が始まりました。
5日間の読み合わせで積み上げてきたものを、更に具体的に、立体的にしていきます。

今回、僕を含め出演者の内の6名はアンサンブルとして出演します。
6人で47役を演じ、歌とダンスも盛りだくさん!
我々、公演中はかなーりハードに動き回ります!
さっきあそこにいたはずなのに、こんなところにも?!と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません…。


これは僕個人の感覚なのですが、宮沢賢治の作品の根底には、共通して「生命力」のようなものが流れているように思うのです。

賢治自身の生命力は勿論、人間そのものの持つ生命の力。
動物、植物、自然、ありとあらゆるものの「生きる力」が、糸のように、河のように、血潮のように、流れているイメージです。

僕たちアンサンブルが演じるのは、いわゆるそういう「命」そのもののように思います。鳥になったり、星になったり、風になったり、人になったり…。形はちがっているけれど、同じ世界に存在する、ひとつの生命であることには変わりがない。

そのことは、賢治が導いた「本当のしあわせ」の答えにつながっています。

今作のことを交えてお話ししますと、チュンセとポーセは「物語」という「どこへでも、どこまでも行ける通行券」を持って、銀河鉄道に乗り、旅をします。

演劇も、まさに「どこまでもいける切符」そのもの。
賢治もそういう思いから、自分の生徒達に戯曲を書いたのかもしれないな、と思ったり。

観に来てくださる皆様にも、チュンセやポーセと同じように、僕たちが旅してきたのと同じように、この作品を通して皆さん自身の旅を楽しんでいただけるような、そんな作品に出来たら良いなぁと思っています。


最後に、そんな僕たちが奮闘している姿をチラッとお届け!
歌唱指導・片桐雅子さんにお越しいただいての歌稽古の様子です!






歌うことの楽しさと、表現の幅を体で感じた歌稽古でした!
技術の向上のためにも、これからも地道に練習を重ねていきます!


まだまだ稽古は始まったばかり。
僕も稽古の中で色んな旅をしながら、どんなところに行けるのか、どこまで行けるのか、楽しみに臨みたいと思います!

心の底からたくさんの人に見ていただきたいと思える作品です。
皆様、ぜひぜひ劇場までお越しくださいませ!
| 稽古場日記 | 10:03 | comments (x) | trackback (x) |
宛名のない手紙、稽古スタート!
いつも劇団ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

サードステージ公演『フツーの生活 長崎編』の熱もまだ醒めやらぬうちに、昴本公演『宮澤賢治・宛名のない手紙』の稽古が始まりました!

宛名ブログの最初を飾りますのは、「たぬき、車掌 他」を演じます、江﨑泰介です。


さて、今回の作品ですが、宮澤賢治の童話や詩集の中からいくつか選び、それらをオムニバスに取り上げて一本の戯曲に仕上げています。
なので、ご覧になると「あ、この話知ってる!」と思っていただけると思いますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

この『宮澤賢治・宛名のない手紙』は、今回演出の菊地准さんが、1987年に書き下ろした作品です。
その時は劇団若手の為の勉強会として、その後1996年に長野県の駒ヶ根市民の皆さんとの共同制作という形で上演されました。
それからも東京公演、地方公演と成長していき、今回、昴公演として上演されるのは実に26年ぶりとなります。

初演の勉強会が1987年…僕ですら、その時小学校低学年ですから、今回出演する劇団員の半数が、まだこの世に生まれていません。
『アルジャーノンに花束を』、『クリスマスキャロル』に並ぶ、劇団昴の財産の一つと言えるでしょう。
そんな作品に出演できることを、稽古が始まる前からとても楽しみにしていました。

このブログを書いている現時点で、読み合わせ稽古3日目。出演者も徐々に緊張がほぐれてきて、遊び心が顔を覗かせてきました。
これからの稽古で、宮澤賢治の作品が持つ魅力をどこまで引き出せるか。言葉だけではなく、歌や踊りのエネルギーも使って、全身全霊で稽古に取り組みたいと思っています。

最後に、今回『宮澤賢治・宛名のない手紙』を一緒に作っていく出演者、演出の准さん。




そして、今回スタッフとして参加してくれる劇団の若手たちです!



関係者一同、劇場でお待ちしています!

| 稽古場日記 | 19:59 | comments (x) | trackback (x) |
【フツーの生活~長崎編~】「あれやこれや色々。」
こんにちは。
平石良吉役の吉澤恒多です。

『フツーの生活 長崎編』
おかげさまで連日満席の客席で公演が続いております!

今回のブログでは、この公演の客席からはなかなか目の届かない、細かなところをお届けしたいと思います!
【若干のネタバレを含みますので、まだ公演をご覧になっていない方はご注意下さい】


1.四者四様
各ベッドの下には患者用のカゴが用意されています。
この中身が、それぞれの役を表す個性的な中身になっていましたので、ご紹介します。

まずは、名古屋出身の北山。


大事なアイテムは手ぬぐいに包まれた味噌壺。
実家から持ってきた“大事な味噌”が入っています。
手前には、博打で使うサイコロも見えますね。

次に岡田のカゴ。


中には着替えや本があります。
木の箱の中には、造船所の仲間たちの写真が入っているそうです。

そして耕太。


兄の耕一が、耕太の為に持ってきた本が数冊入ってます。
大切にしまってあるのは、お母さんからの贈り物の手拭いです。

最後に良吉。


着替えの浴衣が入っていますが、場面転換中にほぼ暗転中での着替えになるため、蓄光テープで目印をつけています。
あと、すぐ着られるように取り出しやすくしています。

ベッド下に置かれていて客席からはなかなか見えづらい位置にありますが、
それぞれ役作りの一環としてのカゴの中身になっています。


2.腹の傷
私が演じる平石良吉は、“とある事情“で腹に怪我を負って病院に担ぎ込まれます。
ベッドに寝かされて処置を受ける場面もあり、客席にもお腹が見える…

そこで、安本耕太役の洲本大輔君が樹脂粘土で傷を使ってくれて、肌の色と馴染むように毎回メイクをしてくれています。


(↑画像は、本編とは違う加工しています)

舞台カツラ用の接着剤を使って固定してますので、動いても暴れても大丈夫です!


3.ベッドの下には“岡田専用”の……


岡田のベッドの下には、何やら四角いものが見えますね。
これは序盤の、あるシーンのために仕込まれたスピーカーです。
“角度“がしっかり調整されているところもポイントです!


以上、『フツーの生活 長崎編』あれやこれや色々、細かなところのご紹介でした。


残すところあと3日。
千穐楽までチーム一丸となって、良い舞台をお届けします!


良江役の横井麻子と夫婦2ショット。
良吉は良江に支えられていました。
本当に立派な女房です、ありがとう!


| 稽古場日記 | 10:25 | comments (x) | trackback (x) |
【~音楽付き朗読劇~『原爆詩を読む』】「声に託す、命の記憶」
皆様、こんにちは!
いつもブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
準劇団員の中島鱗(なかじま りん)と申します。今回は「音楽付き朗読 原爆詩を読む」に出演いたします。


朗読チームのメンバーはこちら!
(後列左から 磯辺さん、江川さん、遠藤さん、奥原さん
前列左から 葛西さん、小川さん、岸川さん、中島、工藤さん )

私事ではありますが、朗読の公演に出演するのは今回が2回目!
昨年の夏、“劇団昴企画公演 夏の朗読会 「とりつくしま」 ”に、アンサンブルで参加させていただいておりました。
「声」だけでお客様に情景や言葉をお届けするのは当時も今回も苦戦しており、「ああでもない、こうでもない」と、四苦八苦しながら稽古をしていました。


行き詰まった時は、何度も稽古場のパティオから青空を眺めていました。(今日は残念ながら曇天ですが…)
原爆詩に“空”の描写が多く出てくるのですが、この空を見つめながら、原爆が落ちてくる時の事、落ちた後の街の事を考えていました。





こちらは養成所修了公演「フツーの生活 沖縄編」の際、沖縄にて撮った写真です。
沖縄にも青空と綺麗な海が広がっていました。ひめゆり平和祈念資料館に見学に行き「なぜ、こんな目に遭わなければならないのか」と、展示を見ながら強く思った事を今でも覚えています。

今回の朗読で上演する原爆詩の他に、
胸に刺さった詩をご紹介させていただけたらと思います。
戦争・原爆は人の命だけでなく、生きる希望も奪っていってしまう気がします。
もう青空から逃げ隠れる事が起きないよう、何が出来るのか考えていきたいと思います。

『としとったお母さん』
峠 三吉

逝いってはいけない
としとったお母さん
このままいってはいけない

風にぎいぎいゆれる母子寮のかたすみ
四畳半のがらんどうの部屋
みかん箱の仏壇のまえ
たるんだ皮と筋だけの体をよこたえ
おもすぎるせんべい布団のなかで
終日なにか
呟つぶやいているお母さん

うそ寒い日が
西の方、己斐の山からやって来て
窓硝子にたまったくれがたの埃をうかし
あなたのこめかみの
しろい髪毛をかすかに光らせる

この冬近いあかるみのなか
あなたはまた
かわいい息子と嫁と
孫との乾いた面輪をこちらに向かせ
話しつづけているのではないだろうか
仏壇のいろあせた写真が
かすかにひわって
ほほえんで

きのう会社のひとが
ちょうどあなたの
息子の席があったあたりから
金冠のついた前歯を掘り出したと
もって来た
お嫁さんと坊やとは
なんでも土橋のあたりで
隣組の人たちとみんな全身やけどして
ちかくの天満川てんまがわへ這い降り
つぎつぎ水に流されてしまったそうな
あの照りつけるまいにちを
杖ついたあなたの手をひき
さがし歩いた影のないひろしま
瓦の山をこえ崩れた橋をつたい
西から東、南から北
死人を集めていたという噂の四つ角から
町はずれの寺や学校
ちいさな島の収容所まで
半ばやぶれた負傷者名簿をめくり
呻きつづけるひとたちのあいだを
のぞいてたずね廻り
ほんに七日め
ふときいた山奥の村の病院へむけて
また焼跡をよこぎっていたとき
いままで
頑固なほど気丈だったあなたが
根もとだけになった電柱が
ぶすぶすくすぶっているそばで
急にしゃがみこんだまま
「ああもうええ
もうたくさんじゃ
どうしてわしらあこのような
つらいめにあわにゃぁならんのか」
おいおい声をあげて
泣きだし
灰のなかに傘が倒れて
ちいさな埃がたって
ばかみたいな青い空に
なんにも
なんにもなく
ひと筋しろい煙だけが
ながながとあがっていたが……

若いとき亭主に死なれ
さいほう、洗いはり
よなきうどん屋までして育てたひとり息子
大学を出て胸の病気の五、六年
やっとなおって嫁をもらい
孫をつくって半年め
八月六日のあの朝に
いつものように笑って出かけ
嫁は孫をおんぶして
疎開作業につれ出され
そのまんま
かえってこない
あなたひとりを家にのこして
かえって来なかった三人

ああお母さん
としとったお母さん
このまま逝ってはいけない
焼跡をさがし歩いた疲れからか
のこった毒気にあてられたのか
だるがって
やがて寝ついて
いまはじぶんの呟くことばも
はっきり分らぬお母さん

かなしみならぬあなたの悲しみ
うらみともないあなたの恨みは
あの戦争でみよりをなくした
みんなの人の思いとつながり
二度とこんな目を
人の世におこさせぬちからとなるんだ

その呟き
その涙のあとを
ひからびた肋あばらにだけつづりながら
このまま逝ってしまってはいけない
いってしまっては
いけない
| 稽古場日記 | 12:46 | comments (x) | trackback (x) |
【~音楽付き朗読劇~『原爆詩を読む』】「命」
本日の担当は、遠藤英恵です。

私は戦争体験はありませんが、これまで戦争に関することに触れたことを書きます。

私の父は戦争中、松島でかなり厳しい軍事訓練を受け、その後、運良く事務に配属されました。

私の母は娘時代に、東京の下町で両親と共に空襲に遭い、隅田川や言問橋では沢山の人が犠牲になったのを目の当たりにしました。

私の祖母である、母の母は、「もう駄目だ」と諦めたそうですが、母が「生きたい」と言ったので、三人で必死で逃げて助かったそうです。

父も母も生きてくれたので、今の私がいるのだと感謝します。

中学の校内の合唱コンクールで、クラス全員で「戦争を知らない子供たち」を歌いました。
この時、初めて戦争のことを考えました。

高校の修学旅行は、長崎で折り鶴を折りました。
そして、長崎原爆資料館で戦争や、原爆の恐ろしさを知りました。

その後、仕事で行った広島で、原爆ドームや広島原爆資料館に行き、息を詰めて見たことを思い出しました。

“あまん きみこさん”の「ちいちゃんのかげおくり」をラジオで朗読した時、空襲でひとりぼっちになったちいちゃんを、ぎゅっと抱きしめたい気持ちになりました。

戦争をテーマにした舞台では、小説家の林京子さんの原作で、プロツーカンパニーの「もうひとつのグラウンド・ゼロ」に出演させていただきました。

林さんは女学生の時に長崎で被爆して助かりましたが、ずっと原爆症の不安を抱えながら結婚も出産もなさった方で、林さんの娘時代の“わたし”という役をさせていただきました。
原爆に遭い、友人のカナと二人、命からがらで逃げるシーンで、

「原爆は一発で沢山人を殺しただけじゃなかね。生き残っても苦しまなならん」

という、“わたし”の台詞に、今でもやるせない気持ちになります。
その芝居を見て下さったお客様のアンケートに、「8月には必ず戦争の舞台や映画を見る」と書いてありました。

私の母は、「戦争は決してしてはいけない、そして平凡であることが一番幸せ」と、よく言ってました。

それらのことを思いながら、戦争がなくなり、世界中が平和になることを願って、「原爆詩を読む」にのぞみます。

| 稽古場日記 | 13:48 | comments (x) | trackback (x) |
【フツーの生活~長崎編~】「美しく逞しい精神力」
結城清美を演じます、賀原美空(がはら みく)です。
人生初の「看護婦」役です。

普段、時の流れが人より遅い私ですが、舞台上では100倍のスピードで動いております。
シゴデキ女の視界体験のような日々です。
心なしか、賀原も仕事ができるようになった気分になります。(気のせいです泣)

“結城清美”を演じるにあたり、初めに疑問を持ったのは「看護婦」と「看護師」の違いでした。
昔は女性看護師のことを「看護婦」、男性看護師のことを「看護士」と呼ぶことが一般的だったそうです。
2001年の法改正で「保健婦助産婦看護婦法」から「保健師助産師看護師法」に名称が変更されたことにより、翌年2002年に男女ともに「看護師」と統一されるようになったそうです。

私は2002年生まれなので、人生でお世話になったのは「看護師」さんでした。

私が人生で強く印象に残っている、看護師さんとのエピソードをお話ししたいと思います。

一昨年の夏でした。病院での診察後、待機中に視界がぼやけ始め、これはダメだと思い「意識が遠のいているのですが…。」と申告しました。
その後、看護師さんに連れられベッドに寝かせられました。
私は人生で一度も気を失ったことがなく、初めての経験に焦っていたのですが、看護師さんのあまりの落ち着きと、包容力のある対応に、「なんだか、心配してもらえるって幸せだなぁ〜」とすぐに呑気な気分になってしまったことを覚えています。
あれほどの安心感は人生で二度と感じたことがありません。
強く優しい瞳で、淡々と仕事をこなしながら私に優しく話しかけてくれた姿、あまりにも素敵でした。

結局、気を失いそうになったのは酷い低血圧のせいだったようで、『よくベッドまで歩いてこれたね…!』と看護師さんに驚かれました。
なんだか褒められた気分になり、嬉しかったです。嬉しくなっている場合ではないのですが、喜んでしまうくらい、包容力のある素敵な看護師さんだったのです。

今回のお芝居では、その経験にとても助けられています。
私には想像できないほど沢山の命と向き合い、その灯火を消さないために戦い続けてきたであろう看護師さん。
あの日感じた、美しく逞しい精神力は、今でも私の心に、確かに刻まれています。

私もいつか、あの日の看護師さんのように在りたいと思います。
一生かけても足りないかもしれませんが…望みは高く…!笑



初の看護婦役に加え、もう一つの人生初があります
それは、長崎のお話に携わること…!
長崎に行ったことがなかった私…。
ということで、この度、長崎に一人旅に行ってきました!!
作中に「長崎は坂の街」というセリフがあるのですが、まさに…、まさに坂の街でした…!!
歩くの好きだから大丈夫と、飛行機に持ち込めるギリギリ7キロの荷物を背負ったまま、10時間ほど歩きました…。長崎の坂を舐めておりました…笑
晴れでよかったぁぁあああ!!!!


浦上天主堂


旧浦上天主堂の遺壁


山王神社の一本柱鳥居


爆心地公園の青い空


長崎駅のちゃんぽん


道端の猫さん



本当に綺麗な街でした。
そして綺麗な空でした。
穏やかな空気でした。
猫も、気分がよさそうでした。
それがきっと、今のフツー。

いつまでも、そうあってほしいです。
フツーを守りたい。

賀原美空
| 稽古場日記 | 10:48 | comments (x) | trackback (x) |
【フツーの生活~長崎編~】「初日を迎えることが出来ました」
企画・制作の磯辺です。今回、「音楽付き朗読 原爆詩を読む」にも出演致します。

本日、劇団昴ザ・サード・ステージ第39回公演『フツーの生活 長崎編』の初日を迎えることが出来ました。

これもひとえに、この舞台を支えてくださっている人たちがいてこそです。
この場でご紹介させて頂きます。

まず、公演制作チケットお客様対応の要!
茂在眞由美サン!

とにかくいつも、制作の私の大雑把なところをキチンとフォローして、ワガママも聞いてくれるし、細かく見逃しそうなところをチェックして注意してくれます。完璧なお仕事!彼女がいないと絶対この公演は回っていかないのです。


そして、今回の事務所対応受付メンバーです!

左から 長瀬紗輝さん・鈴木優美さん・筧実華さん


美術プランナーの岡田志乃さん!
前回サード公演の『イエルマ』もデザインしてくれました。
細部にまでこだわった美術!そちらも合わせてお楽しみください。


照明プランナーの宮永綾佳さん!
北村総一朗さんの初演出新藤兼人作『ふくろう』、中島淳彦作『無頼の女房』、『プカプカ漂流記』『一枚のハガキ』とずっとお世話になっている照明プランナーさんです。


音響プランナーの藤平美保子さん!
この人との歴史は長いです。もう30年来ですね。
私と同じB型の女!
仕事に対しては厳しく妥協しません。
「青森極寒を体験する一泊二日のバスツアー」
にも、二人で行きました。


そして、音響オペレーターの小倉祐子さん


衣装プランナーの竹原典子さん
この方との関係も深く、私が畑澤聖悟作『親の顔を見たい』の企画制作をやった時からのお付き合いです。
戯曲の歴史背景や登場人物のバックボーンなど詳しく調べて、教えてくださいます。俳優に衣装選びから着方、芝居をするのに不都合や、動きにくさがないか、母のように気にかけてくださいます。



殺陣の梶武志さん
『イエルマ』以来のおつきあいです。笈沼さんの企画、「オペラ ふたりのももたろう」の殺陣も秀逸でした。
(写真が間に合わず残念です。)

歌唱指導と音楽付き朗読の電子ピアノ演奏、笈沼甲子さん
私と笈沼さんの関係も深く、「オペラ×演劇」「銀河鉄道の夜」などなど、音楽と演劇のコラボの上演を企画制作、実演する、スーパープロデューサーでもあります。


そして、舞台監督の道場禎一さん

劇団昴公演「セールスマンの死」の地方巡りの旅が最初ですね!
あのころから一体、何十年経ったのか。楽しい旅でした。藤平さんも一緒の旅公演!みんな若かった!

道場さんは、舞台製作の要です。
今回、一年目の若手も教えつつ、舞台の完成に向けて尽力してくださっています。



そして、そして、演出の北村総一朗さん

今年90歳ですから、稽古始まる前はずいぶん心配しましたが、稽古を重ねるごとに熱が入り、芝居への情熱尽きることなく、どんどんパワーアップしてきました。



本当にみなさまのお力添えで初日を迎えることが出来ました。
ありがとうございます。

そして、若手の支えもあればこそ!
今までのブログで紹介されていますが、今一度紹介を! 
稽古初日から比べると、日に日に頼りになるメンバーに成長してくれています。


舞台監督助手・演出助手の三銃士!
小川瑞奈さん・岸川明玉さん・葛西佳貴さん

新準劇チーム(劇場では受け付けに立ちお客様対応を致します)

左から、佐藤博満さん・大本颯さん・ともちかゆまさん・勝田望夢さん


左から、鈴木遙さん・櫻井達成さん・山本珠緒さん


左から、村田麻衣子さん・柴山晃生さん

皆、ありがとう!千秋楽まで駆け抜けよう!
| 稽古場日記 | 12:09 | comments (x) | trackback (x) |
【フツーの生活~長崎編~】「泥臭く地道に」
皆様こんにちは!
北山重義役の町田大征(まちだ ひろゆき)です。
只今、稽古も佳境を迎えております!
本番一週間前になると、詰める所をより詰めて、削ぎ落とす事も考えながら稽古しております!

今回のブログは、“役作り”についてお話ししようと思います。
僕が演じる「北山重義」という人物は、お調子者でよく喋る喋る(笑)。
人の話に首突っ込んで喧嘩したり、そんな事言っていいのか?っていう事まで言って看護婦に叱られたり。
ただ、どんな時でも生きる希望を忘れない、人間力に溢れた人物です!

最初に、僕は北山が生きた時代を探っていきました!
終戦間際の日本の情勢や長崎の雰囲気など、ネットや図書館で調べたり、座組の皆様が持ち寄って下さった、小説、詩集、写真、DVDなど、様々な資料が沢山!!(感涙)



役の北山と私は、似てると言われる事が多いのですが(自覚なし!笑)
心とセリフを重ねるのは容易ではありません。空想上の人物ですから。
ですが、『何か』を一つ一つ積み上げていく内に、役と自分の心が自然と重なって行きます。

この『何か』を発見するのに大変苦労します。
それはセリフの中・自分の立ち位置・相手との関係性・またはバックボーン・小道具・髪型・衣装・食事、と膨大な情報から、与えられた役に少しでも肉体的にも精神的にも近づけるように、我々役者は藁にもすがる思いで、この『何か』を泥臭く泥臭く、地道にコツコツと積み上げていきます。

また、まったく違った方向からもポツンと見つかったりします!
今回の舞台のジャンルと関係ない、恋愛ドラマの主人公が北山と重なる部分が多く、「こんな所からも役のヒントが得られるんだ」と、発見がありました。何事も勉強ですね(笑)

演出のチェックを自分で消化できない所は、先輩や後輩に頼ることも!
今回はセリフのチェックを先輩に頼りまくりました!
どんな舞台もですが、支えて下さるスタッフや舞台ができる環境に感謝しながら臨みたいと思います!



芝居中ずっとベッドにいる四銃士
| 稽古場日記 | 14:08 | comments (x) | trackback (x) |

  
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