「す」の謎 宮本充
昨日は最後の読み稽古。
稽古の後に、立ち稽古の為の小道具の仕分け作業をしました。




倉庫に保管してあった、懐かしい小道具達。
その数の多さ!
特に、食器類の数が膨大。
「隣で浮気」の一番の見所は、ディナーシーン。
ふたつの家族のディナーが同時進行します。
その場面で使う物が特に多いのです。



どの場面でどの小道具を使うのか、初演の舞台写真を見ながらチェック。
右は演出助手の河田園子。
左は、加賀谷崇文。
彼は北海道の稚内出身。
『日本最北端の俳優』です。
昨年の「石棺」に、消防士役で出演していました。
バラの花を一輪持ち、たたずむ姿が印象的でした。
今回、スタッフとして手伝ってくれます。



マッサージ棒。
いえいえ、これは使いません。
なぜか小道具箱に入っていたのです。
彼は三輪学。
三輪も「石棺」に出演していました。
身の危険をかえりみず職務を全うする制御士の役。
いい役でした。

彼は、非常に多才な男。
道具類なら、金づちからパソコンまで何でも操ります。
だから何かあると、どうしても彼に頼ってしまいます。
三輪にもスタッフとして手伝って貰うことに。
彼はこの後、6月の「汚れた手」に出演します。



仕分け作業中のこと。
「あれ、何だコレ…?」と三輪が手を止めました。
カップなどの食器の底に、「す」と書かれた小さなシールが貼られているものがあるのです。
貼られていないモノもあります。
一体何の意味なのか?

食器を使う家族は「フォスター家」と「フィリップス家」。
どちらも「フ」だから違う…
初演の時、ダブルキャストで、「白チーム」「黒チーム」と呼ばれていたから、「すろ」の「す」?
バカ、それは「しろ」だろ。
などと言いながら、皆で、「す」の意味を、作業を中断して考え始めました。
しばらくして、三輪が大声で、
「『すばる』の『す』だ!」

初演の時に、劇団の所有物と、そうでないものとを区別するために、劇団所有の食器に「す」のシールを貼っておいたのでした。

「なるほど!」と、一同納得し、作業を再開。
無事、仕分けは終わりました。

今日は立ち稽古。
例のディナーシーンは、何度も繰り返し、いきなりの猛練習となりました。
もちろん、「す」印の食器を使って。
このシーンは、芝居というより、もはやスポーツの域。

クタクタです。
明日は筋肉痛かも…

| 稽古場日記::隣で浮気? | 20:52 | comments (x) | trackback (x) |

  
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