新年明けましておめでとうございます
 昨年の憂きことを流し去り、心機一転新しい自分を再スタートさせる為の見事な言葉。
「明けましておめでとう」も今年ばかりはそうすんなりと届きそうにありません。 
世界は一変し、変わらぬ日々を取り戻す為の戦いは、今年に持ち越されてしまいました。

昨春、不要不急に声を潜めていた演劇人は、錯綜する世情の中で改めてその存在を確認したように思います。
枯れた社会に水を注すのが文化であり、演劇は痩せた心を潤す役割を担うことを。
昨年、昴の公演を導いたのは芝居を待っている人達の声でした。
芝居の場を失った私たちの背中を押してくれたのは潤いを求める声でした。
改めて劇団の役割を思い知らされました。

「閑話休題」
先日、奈良に行く機会があり、公園の鹿の佇まいに惹かれました。
車道を横切り、悠々と歩く姿。静かにゆったり人々を見て、自然に溶け入る姿。
時間の流れが違います。それに引き換え人間の何と慌ただしい事。
社会の制約に縛られ、抑圧の中で生きる日々。
心の平静を取り戻す為に人は潤いを求め、そこに文化がある。
必要から生まれた産物。だから文化は人間だけのもの。
鹿に文化は要りません。

さて、災禍は年を越えました。
先の見えない日々が続きます。
伸ばしきれない背筋に油を注ぐ、そんな演劇の役割は日々に増して来ています。
その中で劇団昴は次の演目をもって一年を進みます。
復活を果たす1月の『プカプカ漂流記』(中島淳彦・作)、
4月には新藤兼人原作・古川健脚色で『一枚のハガキ』。
連続の北村総一朗演出。
9月には昨年6月予定だったアイルランド作品『The Weir―堰―』が復活。
そして、12月は劇団昴の財産演目『クリスマス・キャロル』が生まれ変わります。
演劇の日々が待っています。

ともあれ新年です。劇団昴も劇場での再会を取り戻しつつあります。
前のめりに急がずに、日々に心を砕きながらも待ちましょう。
マスクを捨てて、街に出る日を。

劇団昴 荒川秀樹
| 劇団ニュース | 01:16 | comments (x) | trackback (x) |

  
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