翻訳者、広田敦郎さん

「広い世界のほとりに」の稽古場から…

エレン・ホームズ役、姉崎公美が3回目の投稿です。
今回私は、演出家、演出助手、翻訳者の3名の方のご紹介文を書くように、ブログ班長の須々田君から命じられました!



(ブログ班長、須々田浩伎。今回非常に面白い役に挑戦中!)

と、言う訳で今日は翻訳者、広田敦郎さんをご紹介致します。

翻訳劇を上演する場合、翻訳者がご存命であれば(ご存命で無い場合も多々あるので)、そしてお時間があれば、たいていは稽古初日に1回、稽古半ばに1回くらい(その間、演出家と連絡を取る事はありますが)、稽古場を訪れて下さり、質問に答えたり、変更箇所を承諾されたり… そして初日にご観劇。
私の拙い経験では翻訳者が稽古に参加されるのはこんなパターンが多いように思われます。

今回の作品は16年ほど前、広田敦郎さんの翻訳で一度上演された事がありますが、この度新たに翻訳をし直してくださり、さらに、稽古初日以来、「読み」の期間はほとんど毎日稽古場に見えて、イギリスの風土や文化、作者サイモン・スティーヴンスの人となりなど解説して下さいました。
(作者本人は相当な酒飲みだとか。登場人物の中の“あの人“は本人なのかな?)

そして、私達の「読み」を聞きながら、眞鍋さんと共に、翻訳の変更、変更… 
思えば贅沢なお稽古場です。

時代と共に変わって行く“言葉“を使い、さらに時代を考証して私達に伝えてくれる。今回、翻訳者はもう一人の作家なんだと感じました。


ところで、稽古初日に初めてお目に掛かり、びっくりしたのはその素晴らしい「声」。テノールとバスの間くらいの、よ~く響く素敵な声の持ち主で…
よくよく伺うと劇団四季出身! やっぱり~ 四季の役者さんだったのぉ?と、思いきや、制作畑だったそうで… 
しかし、さらに伺うと、役者になろうかどうしようか迷った時期もおありだそうで、そうですよね~ あの声なら… 



「昴と言えば翻訳劇のイメージです」
演劇観賞会の方や、見巧者の方から度々伺う言葉です。

翻訳者の方とこれほど密に言葉を交わしながらの稽古は初めてだったかも知れません。
翻訳者としての責任と情熱で、お稽古に参加して下さった広田さんに感謝致します。
それがいい芝居に反映されるよう願うばかりです。


姉崎公美

| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 21:22 | comments (x) | trackback (x) |
演出助手、中村圭吾さん
「広い世界のほとりに」の稽古から…

立ち稽古も進み、慌ただしく、濃密に、私達はまだまだ、たどたどしく毎日が過ぎていきます。


エレン・ホームズ役の姉崎公美です。


今日は、俳優座所属、演出助手の中村圭吾さんをご紹介致します。今回は演出助手としてですが、すでに俳優座にて演出家デビューされています。

①おいくつですか?
「30才です。」
(見えない!お肌ツルツル!)

②ご結婚されてますか?
「はい、結婚してます。5才の子供がいます。」
(ますます見えない!ちょっとビックリ!)

③劇団昴の今までの印象は?
「俳優座演劇研究所時代(俳優座の養成所です)、松本永実子さんが講師だったこともあり、演出家志望ならと、読むべき本を教えて貰ったりお世話になりました。なので、付かず離れずの親戚?のような感じ。」
(親戚と思って下さっているとは知らなんだ…。
松本永実子さんは、元劇団昴演出部。演出家、そして翻訳家です。2022年残念ながら亡くなられました。後進の育成に熱心な方でした。
永実子さん!あなたの蒔いた種がこうして実りつつありますょ。)

④今回の作品について何か。
「人がいる感覚。何が起こる訳でも無いがその人達の向こうに透けて見える物が届けられれば、面白いかも。」


俳優座の旅公演にも携わり、忙しく時間の無い中、答えて下さいました。



稽古中、時折、中村さんの声が響きます。その時必要な補足内容のアナウンスをしてくれるのですが、この声がなんともカワイイ(*≧з≦)
金尾さんは「彼の声は癒し系だねぇ~」と。
一日数回、癒しの瞬間をいただいております。

そして毎日、その日終わった稽古箇所、明日の稽古予定などをメールして下さいます。そして今回、私は初めてなのですが、各人確認が出来るように、その日の動画を送って下さいます。
はぁ~ 時代は変わったぁ…


時代が変わり、稽古場にパソコンの数が増え、稽古の仕方は多少変われども、私達はそれぞれの頭に台詞を叩き込み、相手の台詞を覚え、キッカケを覚え、すべての台詞の意味を把握して気持ちを乗せ… アナログといえばアナログな作業を地道にやるしか手はありません。

その結果、舞台上で今初めて生まれたような瞬間を、それを皆様にお届け出来るまで…
もう少々お待ち下さい!


今回はその全ての日々を見守ってくれる、演出助手の中村圭吾さんをご紹介致しました!


それでは、また。


姉崎公美
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 21:57 | comments (x) | trackback (x) |
家族って…
祖父のチャーリー役、金尾哲夫です。

突然ですが、絶縁、勘当、三くだり半・・、うーん、家族の問題ですが、何か重くて暗い気分になりますねえ。
打って変わって、絵に描いたような幸せで理想的な家族・・、うーん、ま、ありそうで、なかなかないのかも。

皆さんは〈家族〉というものを如何お考えですか?

家族って、殆どの人がどこかに属している人間の集団。今回の芝居はその〈家族〉がテーマです。

断ち切れない絆がある故に、厄介で、鬱陶しくて、反目もあり、それでいて他人には求めぬ繋がりを心の奥底で希求する・・。多少の差はあれ、誰もが経験していることではないかと。

眞鍋卓嗣氏の演出する稽古は、ゆっくりと穏やかに、しかし、細かく的確に進んでいきます。それはまるで細密画が描かれるように、平らな断面に精緻な浮き彫りが現れるように、心の奥の奥に隠れていた感情の襞を解き明かしていきます。

氏の思い描く家族の心象風景は何処に向かうのか・・、楽しみです。

その家族を演じるのは、彼等。


写真は劇中における、それぞれの役の心中の思いを表現してもらいました。

前列左より落合るみ(母)、江﨑泰介(父)、笹井達規(その子供兄)、福田匡伸(弟)、後列は姉崎公美(祖母)、そして私(祖父)

家族・・って、何だろう。

『広い世界のほとりに』、お待ちしてます。
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 03:06 | comments (x) | trackback (x) |
まだ道半ばの稽古場より
本日は、アリス・ホームズ役の落合るみがお届けいたします。

今回の劇場・あうるすぽっとは舞台の奥行きがあるため、稽古場で実寸を取る事ができません。
やむなく演出家の目の前に立ちはだかる状態で演技することも。(本当ならもっともっと前に行きたい)
ですので、スタッフはもちろん、出番を待つ出演者もいる場所がなくて、裏のあちこちに散らばっております。



これは上手袖。サラ・ブラック役の賀原美空ちゃんが目線をくれてますね。今回大抜擢の美空ちゃんは勘が良くて、私はただただ(ほえー!)と見ています。



後ろからしか舞台が見えない更衣室の隣で大急ぎでパンを食べている裏付きの井下真美子ちゃん。かわいいな!(笑)



金尾さんは毎日お手製のお弁当を持っていらっしゃいます。
写真ではわかりにくいのですが、この日のおにぎりの三角形の美しさにびっくり!
稽古前にささっとご自分で作ることが全く苦にならないそうですよ。
私はといえば、ゆで卵や果物しか持ってきていません・・。

さて、今回昴が初めてお迎えする眞鍋さんの演出はとにかくきめ細やかです。
ご本人はすらっとして爽やかな方なのですが、とんでもなく粘り強く、かつ、何も見逃しません。
私は限られた稽古時間で言われた事がすぐできないと、(やばいやばいやばい!)とすぐに焦りがちなのですが、眞鍋さんは非常に物腰が柔らかく、絶対イライラしないので(してるかもしれませんが、隠して下さるので)普段よりはかなり平常心で稽古場にいられている気がします。
役者もですが、演出家ってさらに気力体力忍耐力が必要な仕事なんだなあと改めて思います。

とはいえ!この作品、とにかくたくさん場面があり、セリフ以外に覚えなくてはいけない事も多々あります。
感染対策の為だけではなく、一切飲みにもいけない、私もちょっと体験したことのないタイトな稽古スケジュールです。
か、な、り、私も追い込まれてきておりますので、今日のところはこのあたりで・・。
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 10:15 | comments (x) | trackback (x) |
裏付きの1日
皆様、はじめまして!

今年から準劇団員として劇団昴に入団しました、聡鳥圭と申します!

12日のブログにてサラ・ブラック役の賀原さんからご紹介いただきましたが…

(まだご覧になっていない方はアーカイブから是非!)

『広い世界のほとりに』では、頼れる先輩方と共に、我々新準劇団員がスタッフワーク(=裏付き)を担当させていただいております!

本日のブログでは、「裏付きの一日」と題しまして、我々の仕事を通して作品作りの裏側をお届けしたいと思います!

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裏付きの朝は早い…

と言いつつ、『広い世界』の稽古は殆ど午後から活動開始です。笑

稽古場に一番先に足を踏み入れるのは我々です。
鍵を開けて、皆さんが到着されるまでに準備をいたします!

その中でも一番最初に取り掛かるのは、掃除!!!

場所ごとに役割分担をし、一斉に取り掛かります!

稽古期間中、キャスト・スタッフ共に1日の中で一番長く滞在する場所が稽古場です。
清潔に保つことは衛生管理・体調管理の面でももちろん重要ですが、気持ちよく、ストレス無く作品作りに集中できるようにするためにもとても大切な仕事です。

今日の私(聡鳥)はトイレ掃除の担当!



鏡も一点の曇り無く…



念入りに磨き上げます…


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掃除が終わり準備が完了した頃、次々と出演者の先輩方が到着されます!

そこでもう一つ、我々が準備する稽古場に必須なものをご紹介。



「お茶場」でございます!

稽古場の一角にお菓子やコーヒー、お茶など取り揃えた憩いの場です。

何を用意するかは裏付きメンバーのチョイス!センスが試されます…。

稽古の前後に、休憩中に、気分転換したい時に。集中力が必要な現場おいて、お茶場は無くてはならない存在です。

我々が選んだもの以外にも、いただいた差し入れやお土産もこちらに並びます。

本日も素敵な差し入れが!



アリス・ホームズ役の落合るみさんから、バナナをいただきました!

(写真は、バナナを前に満面の笑顔のあしゃこと朝倉)

栄養満点で良質なエネルギー源!これは嬉しい!

と思っていたら…



更にエレン・ホームズ役の姉崎公美さんからも、バナナの差し入れ!!!!

ブログのネタにうってつけの最高のサプライズ…!

これが噂の『お茶場ナナ』!!
(姉崎さん命名。)(姉崎さん!頂きましたよ!!)

裏付きメンバーも、みんなでおいしくいただきました!


(バナナでエネルギーチャージするなみちゃん)

お二人とも、ありがとうございます!!


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稽古が終わり、出演の劇団員の皆様が帰られると…

作業タイムが始まります!

裏付きメンバーにとっては、ここからが本番…!!

衣装班と小道具班に分かれ、それぞれ割り当てられた仕事に取り掛かっていきます。

今回は、小道具班の仕事の模様を写真にてご紹介!

この日は、稽古場で使う「仮道具」を作成する日でした!



(テキパキとキッチンのシンクを作る加藤さん)



(相談しながらキッチンのカウンターを作る撤さんと松谷くん)


(黙々と小道具の「タバコのパック」を手作業で作る海翔)

『広い世界』では、劇中にタバコやお酒がたくさん出てきます。

小道具作りの際には、
作品の舞台となる国・地域・時代によってどんなものが適当か?
使用するキャラクターがどんなものを使っていそうか?
役のバックボーン・性格も考えながらいろいろなパターンを想定し作成していきます。

これは役者としてもとても勉強になる作業で、こだわって突き詰めて考える時間は舞台作りの面白さのひとつだなぁと感じています。

本番ではどんなセットが立てられているのか?どんな小道具が使われているのか?

楽しみのひとつにしていただけたら嬉しいです!

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そんなこんなで夜も更け、明日に向けて各々帰路につきます。

裏付きの仕事は「裏」とは付いていますが、私達も演出・演者の皆さんと同じ景色を見て、同じ世界を信じて、形にしていく。とても大切な役割を担っています。

舞台に立つ出演の劇団員の皆さんが、よりその世界を信じられるように。

劇場に来てくださるお客様に、我々が信じた世界を信じていただけるように。

スタッフも一丸となって、力を尽くしていきます!

本番当日、果たして舞台の上にどんな世界が広がっているのか…

是非是非、劇場でお確かめください!!
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 06:02 | comments (x) | trackback (x) |
支えてくださる皆様。
サラ・ブラック役の賀原美空です。
初の本公演出演です!

今回は、『広い世界のほとりに』座組で、スタッフワークをしてくださる俳優陣を紹介します。(写真は敬称を省略)

まず、衣装チーフを務める 関谷あづみ(せきや あづみ)さん


(左:関谷 右:賀原)

関谷さんと私は養成所の時からの同期で、同じ座組に居てくれるだけで心強い存在です。
お芝居だけでなく、歌もダンスもできるオールラウンダーです!

お次に、小道具チーフ、副チーフの

加藤和将(かとう かずまさ)さん 落合撤(おちあい てつ)さん


(左:加藤 右:落合)

加藤さんは、人情溢れるおしゃべりお兄さんです。
誰に対しても、後輩である私にも、目線を合わせて話してくれる優しいお兄さんです。

撤さんは、とても不思議な空気感を纏うお兄さんです。
その底知れぬ魅力は、まさにブラックホールのよう…誰もが吸い込まれます…。


そして、衣装チーフと小道具チーフを支える、新準劇団員の皆さん!


(上段左から: 朝倉旭、小川瑞奈、井下真美子、聡鳥圭 下段左から: 岸川明玉、水本名海子)


(左:石井海翔 右:松谷翔一朗)

新準劇の皆さんと深く関わるのは今回が初めてで、まだまだ皆さんのことを知り足りません…!
ですので、私が感じている印象を『花』でお伝えさせていただこうと思います。

朝倉旭(あさくら あさ)さんは『黄色いガーベラ』
花言葉は「親しみやすい」

小川瑞奈(おがわ みずな)さんは『紫のパンジー』
花言葉は「思慮深い」

井下真美子(いのした まみこ)さんは『桜』
花言葉は「精神美」

聡鳥圭(さとり けい)さんは『すみれ』
花言葉は「誠実」

岸川明玉(きしかわ みんゆ)さんは『チューリップ』
花言葉は「博愛」

水本名海子(みずもと なみこ)さんは『桔梗』
花言葉は「変わらぬ愛」

石井海翔(いしい かいと)さんは『カポック』
花言葉は「実直」

松谷翔一朗(まつや しょういちろう)さんは『ムラサキハナナ』
花言葉は「知恵の泉」

以上8名、新準劇団員紹介でした!


今回ご紹介した11名、他にも沢山の方々に支えられながら、日々稽古に奮闘しております。
是非とも沢山の方々に観に来ていただきたいです。
ご来場、心よりお待ちしております!

賀原美空
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 23:08 | comments (x) | trackback (x) |
クリストファー役の福田匡伸です!
本公演初出演になります、準劇団員の福田匡伸です!
本日のブログは僕が担当させていただきます。

本日から読み稽古を終えて、立ち稽古に入りました!
仮のセットを組みまして、本の中の世界からより立体的なものになってきました。



今日は読み稽古でのお話をしたいと思います。
読み稽古では、演出家の眞鍋さんだけではなく、翻訳家の広田さんも参加してくださいました。
演出家の眞鍋さんを囲んで座りながら台本を読んでいき、時にお芝居についてのワークショップなどを交えて行われました。

眞鍋さんの役に寄り添った繊細な演出とともに、翻訳家の広田さんがイギリスの文化や、なぜそう翻訳したのか、解説と実際に私達のお芝居を見て、細かく翻訳を変えてくださいました。

その中で読み稽古最終日に、広田さんからこの物語は、したかったけど、しなかった人達の物語かもしれません。というお話をお聞きし、僕が演じるクリストファーにも通じる部分があると感じました。

この読み稽古を経て、僕もクリストファーという役にもっと深く寄り添ってお芝居を磨いていけたらと思いました。

最後まで食らいついていきます!
是非劇場へお越しください。
心よりお待ちしております。
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 00:27 | comments (x) | trackback (x) |
演出家、眞鍋卓嗣さん
本日の稽古場ブログは、エレン・ホームズ役 姉崎公美です。

なんと劇団での公演は2018年、Pit昴での「ダウィー婦人の勲章」以来ですので…6年ぶり?

裏に付くスタッフメンバーはもちろん、共演メンバーにも、初めて接点を持つ若者が何人もいて、
ようやく名前がサクサク出るようになったところです。


さて、本日は、昴と初めてのタッグとなる演出家、俳優座の眞鍋卓嗣さんのご紹介を致します。

眞鍋さんの今までのお仕事や、輝かしい受賞歴は
ちょっと検索していただけば、すぐに、たーくさん出て参りますので(上演パンフレットにも掲載されるかと思いますし。)今回は違う側面をご紹介できたらと、質問形式に致しました。

①おいくつですか?
「49才です。」

②ご出身は?
「東京です」
(幼少時代は板橋だそうですょ)

③劇団昴のイメージ?
「外画、吹き替えの仕事をしている人が多いというイメージ。芝居を観ても外国人役がうまい…みたいな」
(なるほど…)

④俳優座劇場が無くなりますが、何か思いなど…
「僕は劇場より、どちらかと言えば5階の稽古場の方が思い入れがあるのですが、劇団の劇場があるという事は貴重な事。ロシアなど海外のように、劇団と劇場と養成所が三位一体となり創作する事がよい形だと思う。」
(残念ですね~。かつて三百人劇場を無くした経験のある私達です。客席の椅子が全部取り払われた劇場を見て、劇場が無くなるという事は文化が無くなるという事だと思った。俳優座劇場は昴もお世話になりました。5階の稽古場もステキな空間です。ありがとう、俳優座劇場!)


⑤この芝居について何か
「サイモン・スティーヴンスの作品は、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』に代表されるように、ウマイ台詞、会話、自然だし見応えがある。いつかやりたいと思っていた。難易度高いと思います。心境の説明がほとんどないのですが、その台詞を何故言ってるか分かると心が感じられる。遣り甲斐がある。」
(何を言うかでなく、何故言うか…演技の基本ですかね。難易度高い…です。)


こんな風に、稽古中にもおっしゃっている言葉を挟みながらのお答を頂きました。



眞鍋さんは、昴が8月の朗読会で取り上げた、「とりつくしま」を、かつて俳優座で芝居にされているのですが、その頃から個人的に大変興味を持たせていただいておりました。


今、稽古は「読み」がそろそろ終わろうかという段階ですが、さてどんな眞鍋マジックが展開されるのか?楽しみなのは私だけではないハズです。

眞鍋さんと一緒に参加されている、同じく俳優座所属の演出助手、中村圭吾さん、そして連日のように稽古に参加されている翻訳家の広田敦郎さんも、後日ご紹介させていただきますね。


「コロナ禍」を乗り切ったかと思いきや、まだまだマスク着用の稽古場です。最後まで油断する事なく、頑張ります‼


姉崎公美
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 19:42 | comments (x) | trackback (x) |
キャスト紹介
おはようございます!
本日のブログは舞山裕子が担当させていただきます!

「広い世界のほとりに」は、家族三世代のお話です。
英国マンチェスター郊外に住む家族ですが、稽古を進めていく中で、日本に住む私たちでも共感することが多々あります。どの立場でどんな感情や行動に共感・反発するのかは、この作品を観る今の自分が置かれている状況によって全く受け取り方が違うんだろうな~と思いながら「家族」というものに日々向き合っています。

さてさて今回のブログでは僭越ながら私がキャスト紹介をさせていただきます。(すべて写真の右側から敬称を省略)



チャーリー・ホームズ
 「金尾 哲夫」(かなお てつお)
ピーター・ホームズ
 「江﨑 泰介」(えさき たいすけ)
クリストファー・ホームズ
 「福田 匡伸」(ふくだ まさのぶ)

金尾さんとは「ラインの監視」の時に共演していて、私と年の差の夫婦役でした。今回は三世代の一番上、おじいちゃん役です。おじいちゃんなのですが…色気があって佇まいがカッコイイ!!女子高生にも「ダンディ!!」と人気な尊敬するベテランの先輩です。

父親役の江﨑さんは、座内では照明も仕込めていつも笑顔で穏やかでお酒が大好きなみんなの頼れるお兄さん的存在です。でも今回はお兄さんではなくお父さん!普段見ることのできない葛藤する姿や苦悩する姿が必見ですよ!!

次男役の福田くんは「劇団昴附属養成所」の1期生です。入学当時から観てきた私は彼の成長していく姿に胸が熱くなります。普段明るい笑顔の彼ですが、初めて先輩たちにもまれて必死にくらいついている姿が、必死に生きようとしているクリストファーと重なります。どう転がっていくか楽しみです。



サラ・ブラック
 「賀原 美空」(がはら みく)
アリス・ホームズ
 「落合 るみ」(おちあい るみ)
スーザン・レイノルズ
 「舞山 裕子」(まやま ゆうこ)

賀原さんも福田くんと同じく1期生です。彼女は養成所の頃から本当に努力家で頑張り屋さんなんです。彼女自身から湧き上がる情熱と今回の作品にかける思いが重なり、相乗効果で稽古場に気持ちのいい緊張感が漂います。これからが楽しみな後輩です!

るみさんとは「暗いところで待ち合わせ」以来の共演です。とてもかわいらしい雰囲気の先輩ですが、読みに入るとその魅力的な声にまずやられます。休憩中にちょこんと座ってクリっとした目で周りをみている姿はポメ〇〇アンみたいなんです。こんなチャーミングな先輩がどんな母親になっていくのか…楽しみです。

そして私、舞山です。
今回のキャスト紹介ですが、みんな名前の読み方か難しいのでフリガナを記載しました。私も現場でよく「まいやま」と間違えられてしまいますが本当は「まやま」です!これを機にキャストの名前を覚えていただけるととってもとっても嬉しいです。



ジョン・ロビンソン
 「須々田 浩伎」(すすた ひろき)
ポール・ダンジガー
 「赤江 隼平」(あかえ しゅんぺい)

須々田くん(通称すす)のトレードマークは大きな目と高い身長にくるくるの髪の毛です。遠くからでも探せます(笑)個性的な魅力をもっていて憎めない可愛らしい後輩です。この憎めない個性的な魅力が今回はまっているように思います。要チェックです!

赤江くんも、賀原さん・福田くんと同期の1期生です。「マーヴィンの部屋」で先に本公演デビューをしていますが、劇団若手きっての高身長イケメンさんです!人当たりのいい彼ですが、ちょいちょい会話が「ノーソール(心がこもってない?!)」(笑)。「おい~そこノーソール!!!」「いやいやちゃんと思ってますってば~」っとそんな軽口を交わしながら和気あいあいと稽古場を和ませるムードメーカーです。



エレン・ホームズ
 「姉崎 公美」(あねざき くみ)
アレックス・ホームズ
 「笹井 達規」(ささい たつき)

姉崎さんは「ダウイー夫人の勲章」以来の本公演です。初めて一緒の舞台に参加しますが、すばる倶楽部では中心となって活動してくださっているので、仕事では何度もお世話になっています。すごく発想豊かで自由な魅力のある先輩です。金尾さんと夫婦、おばあちゃん役ですがどんな夫婦になるか楽しみです。

笹井くんは今回ピータの長男役です。三世代目。18歳。イギリスでは成年。日本でも2022年4月から18歳は成年と変わりました。成年になるということは親権に服さなくなるという事、つまり親の同意なしに一人で契約できるようになるという事です。(ちなみに日本では飲酒や喫煙、競馬などの公営競技は20歳からです)子供と大人の境目のアレックスを悪戦苦闘しながら稽古に励んでいます。


15歳・18歳の息子、親、祖父母、三世代の家族のお話。そして彼らを取りまく人間たち。10人のキャストそれぞれの魅力を最大に引き出す演出家眞鍋卓嗣さんの演出!ぜひご期待ください!!10月2日から東池袋のあうるスポットで皆様をお待ちしてます!

| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 19:34 | comments (x) | trackback (x) |
つるっつるの、まっさらの
劇団ブログをいつもご覧いただきありがとうございます。
ピーター・ホームズ役の江﨑泰介です。

ブログを担当するのは、2023年の『クリスマスキャロル』以来となるのでしょうか?何だか随分と時間が開いてしまったように思います。


さて、今回演じるのは二人の息子を持つ父親。18歳と15歳の思春期真っ盛りの難しい年頃の子供を持ち、奥さんとの関係も少し冷め気味…。
何とも普通な、何処にでもいそうな家族の姿。それでいて…それだからこそ難しい役です。

この作品は、シェイクスピアのような壮大な世界観やドラマが展開される事はありません。
イギリスの地方都市の片隅で暮らす家族の日常と、そして彼らを不意に襲う不幸な事故。その事をきっかけに、崩壊しかかる家族…。
ともすれば、現代を生きている私たちの誰もが同じことを経験する可能性がある、そんな作品です。

だからこそ、舞台に立つ俳優はその世界で生活している『等身大の』誰かを演じることが大切です。
今、こうして生きている誰もが、もしかしたら登場人物の誰かと一緒の立場になるかもしれない。
それを少しでも感じてもらう為には、【上手く演じる】とか【上手に喋る】といった意識は邪念でしかありません。
しかし、それを捨てることの、どれほど難しいことか…!

自分にまとわり付いている『演じるってこうだ!』という固定観念を脱ぎ捨て、つるっつるの、まっさらの、何にも染まっていない状態のピーターでいられるよう、この先の稽古に臨みたいと思ってます。


少し話は逸れますが、この作品の稽古が始まる前、外部作品の『ミュージカル 青い鳥』に出演する機会を頂きました。
その中で、旅をするチルチルとミチルの前に将来二人の弟として生まれてくる男の子が登場するシーンがありました。
彼は、生まれるとき3つの病気も一緒に持っていくと話し、それでどうなるの?と聞かれると、「死んでしまうのさ。」とだけ答えます。
その弟役を演じたのは、それが初舞台の小学2年生。
大きな声でハキハキと発した、「死んでしまうのさ。」という台詞が、何にも引っ掛かることなく心に刺さりました。
正に『スコーン!!』という擬音がピッタリなほど、きれいなストレート!

演じるとか何とか余計な事を考えない、純粋な一言が持つ言葉の力って、こんなにも凄いものなのか!と44歳のオジサンがわずか8歳の女の子に教えられた瞬間でした。


それと同じものを求めるわけではないですが、『台詞に書かれた言葉の持つ力』を信じて、劇場に観に来ていただいた全てのお客様の心に響く作品になるよう、この先も頑張ります!
どうぞ、10月2日から始まる『広い世界のほとりに』にご期待ください!
劇団員一同、劇場でお待ちしています!!

江﨑泰介
| 稽古場日記::広い世界のほとりに | 21:31 | comments (x) | trackback (x) |

  
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