『七色いんこ』再び。。
昴ブログをご愛読の皆様、まいど駄文にお付き合いいただき有り難うございます、クレーシチ役の永井誠です。

こちらへの寄稿は4月の『ヴェニスの商人』以来。なのですが…

4/3付当欄に、
「手塚治虫の『ブラック・ジャック』に感化されてその道に進んだお医者さんがいるように、僕は同氏の『七色いんこ』を読んで役者になりました。」
…と、嘘とも真ともつかぬことを書きましたところ、

「手塚マンガは好きだがそんな作品知らん!」との声がチラホラ聞こえて参りました。

でしょうねえ…あまり売れた作品ではありません。なにせ題材が“舞台演劇”ですから…地味な事この上なし。

この際、内容をざっくり説明しますと…

「孤独で人嫌いだが、いざ舞台に立てば天才的な名優“七色いんこ”が、古今東西の有名戯曲をモチーフにした一話完結のストーリーの中で毎回大活躍!」…
まさに『舞台俳優版ブラックジャック』みたいな作品だったのですが…二匹目のどじょうは居なかったということでしょうか、もしくはネタが尽きたのか…わずか50回ほどの連載であっけなく終了したのでした。。


何故またそんな話を持ち出すかと言えばですねぇ…

実はあるのですよ!その50回の中に、
『どん底』の回が!

この度、ホコリを払って久しぶりに読み返してみました。
少年チャンピオンコミックス第1巻第2話、タイトルもまんま『どん底』。

…が、
元の話と全然ちがぁう!
いわんや今回僕の演じるクレーシチは登場すらせず。何の参考にもなりゃしない!

…まぁね、元の戯曲はあくまでモチーフとしてなわけで。
『ブラックジャック』をいかに熟読しようと病気が治せるようになるわけじゃなし。

ま、それはそれとして…

子供の頃に夢中になった本(マンガでも)を、改めて読むのは心地よいものです。ページをめくるたびに、忘れていたストーリーはもとより紙の質感や匂いまでもが、懐かしい思い出を呼び起こします。マンガとお相撲と鉄道模型が好きな、内気でノンキな少年だった頃の。

「舞台俳優にとって最も重要な財産は、容姿でも利発さでもない。“思い出”である。」と、かつて指導を仰いだロシア人演出家に教えられた事が、最近になってようやく、おぼろげながらも実感できるようになってきました。

折しもロシア戯曲の代表作。
劇団にとっても歴史ある思い出深い作品。

思い出を総動員して臨みます。ご期待ください!

クレーシチとアンナ


妻アンナ役の“おーちゃん”こと大坂史子嬢と。
ただし舞台上では夫婦に笑顔は一切無し…なにせ『どん底』ですから。。
| 稽古場日記::どん底 | 23:31 | comments (x) | trackback (x) |

  
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