リリオム組、回転木馬に乗る。
2014年も残り二日となりました!
今年のブログ最後の担当、
『リリオム』組より広瀬がお送り致します。

寒かろうと、年末だろうと、関係ない!
と、稽古に夢中な私達ですが『リリオム』の世界観をより理解するために
先日回転木馬を見てまいりました。



豊島園にある、「エルドラド・カルーセル」です!
1907年にドイツのヒューゴー・ハッセという方によって作られた、
由緒正しい回転木馬です。

彫刻は全て木造手彫り、
ヨーロッパやアメリカの遊園地を旅してきた
メリーゴーランドの王様です!
豪華…豪華すぎる…

電気の普及していなかった1900年頃、
回転木馬は蒸気機関で動いていました。
マダム・ムシュカートの回転木馬も
きっとそうして動いていたのでしょう…

『リリオム』の世界観にどっぷり浸れた一日でした。







さて、12月11日のブログにて、
『リリオム』の大まかなお話や登場人物を御紹介しました。

『リリオム』は生と死を通して描かれる愛の物語です。
そこで今回は「愛」や「恋」に纏わる台詞や文章を集めてみました!



人はしばしば恋に欺かれ、恋に傷つき、不幸にもなる。
それでも人に恋するのだ。
そして墓穴のふちに立つ時、
人は来し方を振り返って、こうつぶやく。
「私は何度も苦しんだ。
過ちも犯した。
でも私は愛した。
真に生きたのは、この私なのだ」。
ミュッセ『戯れに恋はすまじ』より


恋に理由はないというのが愛の理由。
シェイクスピア『シンベリン』より


どのくらいか言えるような愛は貧相なものだ。
シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』より


会って、話をする事もないけど、
唯まあ会って、一緒にいたいのです。
へんですかね。
どうもへんだけれど、そんな気がするのです。
笑っちゃいけません。
(中略)
もう遅いから(午前一時)、やめます。
文ちゃんはもう寝ているでしょう。
寝ているのが見えるような気がします。
もしそこにボクがいたら、いい夢を見るおまじないに、
そうっとまぶたの上を撫でてあげます。
芥川龍ノ介 塚本文子へ宛てた恋文より抜粋



特にシェイクスピアは
あまりに恋愛の名台詞が多過ぎて迷ってしまいます。
シェイクスピアの台詞は全て詩的に説明されているので
恋する気持ちがとても分かり易いです。

しかし『リリオム』はそうはいきません。
この作品の中で、リリオムとユリが明確に愛を語ることはないのです!



試演会の『リリオム』では冒頭の抜粋しかお見せすることはできませんが、
今回はお見せできないシーンからひとつ、ユリの台詞の抜粋を紹介致します。



他人なんか、なんの関係もないのよ…なんの関係もありゃしない…
他人なんかにわかるこっちゃないわ。
私、あんたにだって絶対にいわなかった…いまだからいうのよ…いっちまうわ…
あんたは図々しい意地悪な勝手なひと…
意地悪で乱暴でやさしい大事なひと…
(中略)
あんたは図々しくて意地悪な悪党よ…
私、本当にあんたを…もういいわ、どうでもいいの…
私、はずかしい、ほんとにはずかしいわ。
でも、もういっちまった…もうわかったわね…
でもはずかしいの、それでもはずかしいのよ…
さあ、もうおやすみなさい、リリオム…
(飯島 正訳『リリオム』より抜粋)


ユリはこの台詞をやさしく、
寛大な気持ちを持って語ります。
この言葉にはユリのリリオムに対する
どんな愛が込められているのでしょうか。

是非ともみなさん、
試演会を観てから『リリオム』を読んでみてください!
ユリが何を言いたかったのか、きっとわかる筈です。


次回のブログ更新は来年となります。
皆さまよいお年をお迎えください。
来年も劇団昴をよろしくお願い致します!


広瀬和

| 稽古場日記::試演会 vol.1 | 22:28 | comments (x) | trackback (x) |

  
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