2014,12,30, Tuesday
2014年も残り二日となりました!
今年のブログ最後の担当、
『リリオム』組より広瀬がお送り致します。
寒かろうと、年末だろうと、関係ない!
と、稽古に夢中な私達ですが『リリオム』の世界観をより理解するために
先日回転木馬を見てまいりました。
豊島園にある、「エルドラド・カルーセル」です!
1907年にドイツのヒューゴー・ハッセという方によって作られた、
由緒正しい回転木馬です。
彫刻は全て木造手彫り、
ヨーロッパやアメリカの遊園地を旅してきた
メリーゴーランドの王様です!
豪華…豪華すぎる…
電気の普及していなかった1900年頃、
回転木馬は蒸気機関で動いていました。
マダム・ムシュカートの回転木馬も
きっとそうして動いていたのでしょう…
『リリオム』の世界観にどっぷり浸れた一日でした。
さて、12月11日のブログにて、
『リリオム』の大まかなお話や登場人物を御紹介しました。
『リリオム』は生と死を通して描かれる愛の物語です。
そこで今回は「愛」や「恋」に纏わる台詞や文章を集めてみました!
*
人はしばしば恋に欺かれ、恋に傷つき、不幸にもなる。
それでも人に恋するのだ。
そして墓穴のふちに立つ時、
人は来し方を振り返って、こうつぶやく。
「私は何度も苦しんだ。
過ちも犯した。
でも私は愛した。
真に生きたのは、この私なのだ」。
ミュッセ『戯れに恋はすまじ』より
*
恋に理由はないというのが愛の理由。
シェイクスピア『シンベリン』より
*
どのくらいか言えるような愛は貧相なものだ。
シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』より
*
会って、話をする事もないけど、
唯まあ会って、一緒にいたいのです。
へんですかね。
どうもへんだけれど、そんな気がするのです。
笑っちゃいけません。
(中略)
もう遅いから(午前一時)、やめます。
文ちゃんはもう寝ているでしょう。
寝ているのが見えるような気がします。
もしそこにボクがいたら、いい夢を見るおまじないに、
そうっとまぶたの上を撫でてあげます。
芥川龍ノ介 塚本文子へ宛てた恋文より抜粋
特にシェイクスピアは
あまりに恋愛の名台詞が多過ぎて迷ってしまいます。
シェイクスピアの台詞は全て詩的に説明されているので
恋する気持ちがとても分かり易いです。
しかし『リリオム』はそうはいきません。
この作品の中で、リリオムとユリが明確に愛を語ることはないのです!
試演会の『リリオム』では冒頭の抜粋しかお見せすることはできませんが、
今回はお見せできないシーンからひとつ、ユリの台詞の抜粋を紹介致します。
*
他人なんか、なんの関係もないのよ…なんの関係もありゃしない…
他人なんかにわかるこっちゃないわ。
私、あんたにだって絶対にいわなかった…いまだからいうのよ…いっちまうわ…
あんたは図々しい意地悪な勝手なひと…
意地悪で乱暴でやさしい大事なひと…
(中略)
あんたは図々しくて意地悪な悪党よ…
私、本当にあんたを…もういいわ、どうでもいいの…
私、はずかしい、ほんとにはずかしいわ。
でも、もういっちまった…もうわかったわね…
でもはずかしいの、それでもはずかしいのよ…
さあ、もうおやすみなさい、リリオム…
(飯島 正訳『リリオム』より抜粋)
ユリはこの台詞をやさしく、
寛大な気持ちを持って語ります。
この言葉にはユリのリリオムに対する
どんな愛が込められているのでしょうか。
是非ともみなさん、
試演会を観てから『リリオム』を読んでみてください!
ユリが何を言いたかったのか、きっとわかる筈です。
次回のブログ更新は来年となります。
皆さまよいお年をお迎えください。
来年も劇団昴をよろしくお願い致します!
広瀬和
今年のブログ最後の担当、
『リリオム』組より広瀬がお送り致します。
寒かろうと、年末だろうと、関係ない!
と、稽古に夢中な私達ですが『リリオム』の世界観をより理解するために
先日回転木馬を見てまいりました。
豊島園にある、「エルドラド・カルーセル」です!
1907年にドイツのヒューゴー・ハッセという方によって作られた、
由緒正しい回転木馬です。
彫刻は全て木造手彫り、
ヨーロッパやアメリカの遊園地を旅してきた
メリーゴーランドの王様です!
豪華…豪華すぎる…
電気の普及していなかった1900年頃、
回転木馬は蒸気機関で動いていました。
マダム・ムシュカートの回転木馬も
きっとそうして動いていたのでしょう…
『リリオム』の世界観にどっぷり浸れた一日でした。
さて、12月11日のブログにて、
『リリオム』の大まかなお話や登場人物を御紹介しました。
『リリオム』は生と死を通して描かれる愛の物語です。
そこで今回は「愛」や「恋」に纏わる台詞や文章を集めてみました!
*
人はしばしば恋に欺かれ、恋に傷つき、不幸にもなる。
それでも人に恋するのだ。
そして墓穴のふちに立つ時、
人は来し方を振り返って、こうつぶやく。
「私は何度も苦しんだ。
過ちも犯した。
でも私は愛した。
真に生きたのは、この私なのだ」。
ミュッセ『戯れに恋はすまじ』より
*
恋に理由はないというのが愛の理由。
シェイクスピア『シンベリン』より
*
どのくらいか言えるような愛は貧相なものだ。
シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』より
*
会って、話をする事もないけど、
唯まあ会って、一緒にいたいのです。
へんですかね。
どうもへんだけれど、そんな気がするのです。
笑っちゃいけません。
(中略)
もう遅いから(午前一時)、やめます。
文ちゃんはもう寝ているでしょう。
寝ているのが見えるような気がします。
もしそこにボクがいたら、いい夢を見るおまじないに、
そうっとまぶたの上を撫でてあげます。
芥川龍ノ介 塚本文子へ宛てた恋文より抜粋
特にシェイクスピアは
あまりに恋愛の名台詞が多過ぎて迷ってしまいます。
シェイクスピアの台詞は全て詩的に説明されているので
恋する気持ちがとても分かり易いです。
しかし『リリオム』はそうはいきません。
この作品の中で、リリオムとユリが明確に愛を語ることはないのです!
試演会の『リリオム』では冒頭の抜粋しかお見せすることはできませんが、
今回はお見せできないシーンからひとつ、ユリの台詞の抜粋を紹介致します。
*
他人なんか、なんの関係もないのよ…なんの関係もありゃしない…
他人なんかにわかるこっちゃないわ。
私、あんたにだって絶対にいわなかった…いまだからいうのよ…いっちまうわ…
あんたは図々しい意地悪な勝手なひと…
意地悪で乱暴でやさしい大事なひと…
(中略)
あんたは図々しくて意地悪な悪党よ…
私、本当にあんたを…もういいわ、どうでもいいの…
私、はずかしい、ほんとにはずかしいわ。
でも、もういっちまった…もうわかったわね…
でもはずかしいの、それでもはずかしいのよ…
さあ、もうおやすみなさい、リリオム…
(飯島 正訳『リリオム』より抜粋)
ユリはこの台詞をやさしく、
寛大な気持ちを持って語ります。
この言葉にはユリのリリオムに対する
どんな愛が込められているのでしょうか。
是非ともみなさん、
試演会を観てから『リリオム』を読んでみてください!
ユリが何を言いたかったのか、きっとわかる筈です。
次回のブログ更新は来年となります。
皆さまよいお年をお迎えください。
来年も劇団昴をよろしくお願い致します!
広瀬和
| 稽古場日記::試演会 vol.1 | 22:28 | comments (x) | trackback (x) |
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