あらどおし しました
ケネス役の三輪です。

『冬』『ダウイー夫人の勲章』ともに先日「あらどおし」が行われました。

あらどおし―【荒通し】なのか【粗通し】なのか所説あるようですが、どうものかと申しますと

実際には動かないで主にテーブルなどに座ったまま、台本を手元に置いて行う、
「読み合わせ」「本読み」と言われる作業から、
作品をいくつかのシーンに区切って細かく作っていく「シーン稽古」「ブロック稽古」と言われるものに移行し、
その後はじめて全編通して止めずに行う稽古を「あらどおし」と呼ぶことが多いです。

舞台の作り方は色々なものがありますが、劇団昴ではこのような流れがスタンダードなものとなっています。

しかしあれです、細かくシーンを作った結果なのに「あらい」とはこれいかに?と思いませんか?

個人的に演劇用語ってちょっとネガティブな表現が多いのかなぁなんて感じます。

最たる例が「ダメ出し」ではないでしょうか。
もう業界用語というより一般用語になっているかもしれませんね。

稽古が止まったところで出される演出からの指示や相談などを総じて「ダメ出し」というのですが、
なにもダメなところだけ指摘されるわけではないですし、
芝居を良くしようとしている作業に「ダメ」って言葉の響きはどうなのか?と気になさる演出家もいらっしゃったりします。

なので最近は「チェック」なんて言われることもありますね。

私は、このネガティブな表現の真意は、「まだ先があって、もっとよくなるんだぜ!」というところに
あるのではないかと思っています。

役者が稽古で最善のパフォーマンスを発揮するのは当然。もっとよくなるためのダメを洗いなおす。

これから稽古を進めていけばもっとよくなるんだから、今日やった初通しはとんでもなく粗い(荒い)ものなんだよ!

という転じてポジティブなものなのではないだろうかと。

両作品とも、「この先」を感じられる初通しだったように感じます。

残りの稽古でダメとアラをなくし、素敵な芝居に仕上げて、皆さんを劇場でお持ちしております!
| 稽古場日記::『冬』『ダウイー夫人の勲章』 | 17:14 | comments (x) | trackback (x) |

  
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