リンちゃんの思い出
再び、「おしゃべりバアさん」の一柳みるです、お邪魔します!

先日、視覚障がい者の方と一緒に、
盲導犬が来場してくれました。
黒のラブラドールです。最前列で観劇!

私にはRindy-リンちゃんという友達がいました。
やはり黒のラブラドールの盲導犬です。
Sさんといつも一緒に劇場に来てくれて、
犬好きの私のために、Sさんは、ほんのちょっとの間、ハーネス(※)を外してくれるのです。
ハーネスをつけている時はお仕事モード…
外した時は…ただの犬‼
まあ、別人のように(別犬ですかね)なり、
“遊んで、遊んで…”と、飛びかかるわ、舐めるわ…
ほんの2~3分でも、私には至福の時です。
そして、帰る時にハーネスをつけると…
また別犬に戻る。キリッとするから、これまたカワイイ!お利口ちゃん!
そのリンちゃんも、だんだん大人しくなり、
ハーネスをはずしても、あまりはしゃがなくなりました。
舐めたり、愛情表現はしてくれるのですが…。
そう…犬は人間の何倍もの速さで老化しますから。
その後、引退したというカードをいただきました。
しばらくして、死んだと聞きました。
こうして書いていても、泣けてしまいます。
リンちゃんの肖像画つきのカード、今でも大切にとってあります。

黒ラブちゃんが劇場に来てくれた翌日、
電車の中で、またまた黒ラブの盲導犬と一緒になりました。
よほど黒ラブに縁があるんですね。
まだ新人のようで、しきりに近くにいる人の臭いを嗅いだり、
キョロキョロとあたりを見回したり…
若い頃のリンちゃんもこんなだったかなーと。
嬉しかったのは、周囲の方が、尻尾を踏まないように
気を配っていたり、降りる際にも、何気なく
通り道をあけてくれていたり、理解を示してくれたこと。

世の中には犬が苦手の方もたくさんいらっしゃるでしょう。
が、盲導犬は、高度な訓練を受けた特別な犬です。
決められた時間以外に排泄もしないし、食べない。
吠えることもない。視覚障がい者の方の大切なパートナーです。
暖かく見守ってくださいますよう、お願いいたします。

いつでしたか、本多劇場の上手花道から、
盲導犬をそーっと見ていました。
何かを感じたんでしょうね…怪しいと思われたか?
振り向いて、私をじーっと見てるんですよ。
そのうち、客電が落ち始め、音楽が入り、
緞帳が上がりだしたら、
パッと正面を向いて、尻尾をパタパタパタパタ(笑)
分かるんですね。何度も劇場に来ているのかも。
もしかしたら、犬同志で「あの役者、ヘタだねェ」
なんて話しているかもしれません。

「ポーランドの人形遣い」も、残すところ、あと2回!!!
一同、心をこめて勤めます。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。



ハーネスをつけた盲導犬のキーホルダー。
売り上げの一部が寄附になってました。



本物の写真は撮れなかったので、代わりに
我が家のヌイグルミです。

(※)ハーネス…盲導犬やペットの犬の胴体に装着する胴輪。

| 稽古場日記::ポーランドの人形遣い | 02:03 | comments (x) | trackback (x) |

  
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